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小池 百合子

もったいない


女性が輝けるダイバーシティーを目指して



国際化都市間競争に

打ち勝つため女性が

リードすることが必要



都知事就任以来、私は、東京のあるべき姿として、次の3つの柱を掲げています。安全安心なセーフシティー、皆が輝けるダイバーシティー、金融や環境等に優れた先進都市スマートシティー。そして、ダイバーシティーの中では、特に女性に焦点を当てています。

東京は、出生率が最も低く、働く女性が多い都市。待機児童対策を徹底して行い、働き方改革の一環として、子どもと一緒に乗れる電車車両や、液体ミルクの製造販売促進を進めています。東日本大震災の時に、フィンランドから液体ミルク輸入のお手伝いをしたのがきっかけですが、最近、国内での製造販売が実現しました。世界中では当たり前の子育てと仕事の両立を、東京でも進めます。

東京都の職員は、女性比率が日本一高く、多くの女性が管理職で頑張っています。無理のないロールモデルの存在で、女性が活躍しつつ子育てもできる東京をつくっていきます。また、女性には起業家として頑張ってほしい。具体的には「APTウィメン」という、起業したい女性や、起業している女性の力をさらに伸ばす制度を進めています。グローバル展開を狙う女性起業家を選び、海外視察や世界の女性起業家との交流をしてもらいます。「女性起業家同士のネットワークを進め、互いにノウハウ等も共有しながら競い合いましょう」とニューカンファレンスも始めました。

これからは、 熾烈な国際化の都市間競争に打ち勝たなければなりません。そのためには、女性がリードすることが必要です。予算を付けることはもちろん、セミナーなどを通して、国際化の理念や現実的ノウハウの共有も進めています。



女性の力を生かさないのは

「もったいない」

私は環境大臣の頃からずっと、「もったいない」が口癖です。食品ロスはもったいない、資源を有効に活用しないのはもったいない、と。特に、日本の最大の資源である女性の力を生かさないのはもったいないですね。様々な発想や視点から、新しいビジネスが生まれるなど、女性目線がプラスになることもあります。

一方で、ビジネスは、実際に利益を上げなければ続きません。消費者目線であったり、環境への配慮が細やかだったりなど、いろいろな発想ができる女性の有利さを生かしつつ、厳しさも必要です。女性だからという甘えがあれば続きません。

私は、女性だから不利とか、そういうことはあまり考えません。それよりも、皆と同じことをするのではなく、新しい道を探す努力をします。血生臭い競争のレッドオーシャンより、全然別のことをやっているのに将来の可能性が広がるブルーオーシャンを目指します。人と同じ場所では競争しないことです。



2025年に向けて

東京の高齢化に備えたい

2020年は、東京オリンピック、パラリンピック大会と、日本にとっても東京にとっても一大イベントがあります。私は今、大会を成功に導くための準備を進めているところですが、その後の準備もしています。

5年後の2025年には、東京の人口が減り、団塊世代が後期高齢者入りし、東京は高齢化の真っただ中になります。シニアのニーズを考え、パラリンピックに力を入れながら、バリアフリーなどを仕込んでいます。車椅子に対応できるようエレベーターや段差のない道を整えたり、耳が遠くなった方の助けになるアプリを開発するなど、誰もが元気で輝ける東京ダイバーシティーを目指して、一つ一つ進めてまいります。


東京都知事
小池 百合子

1952年兵庫生まれ。カイロ大学文学部社会学科卒業。
参議院議員、衆議院議員を経て、環境大臣、防衛大臣などを歴任。
2016年7月第20代東京都知事に当選。小池百合子の政経塾『希望の塾』創設。
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