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継続は力なり


私の娘は重度の知的障害者です。高等部に進学しても通学手段がなく、自費で500万円を出してバスを運行させました。これでニーズが証明され、今は大型バスが走っています。娘が卒業する時に親がいなくても生きられるようにしようと思いました。それには勉強する場が必要で、大学のような仕組みをつくろうと事業を始めました。

就労に向けての勉強を4年間行う仕組みは日本でも弊社のみです。知的障害だから低収入で作業所で働くのは差別ですから、最初の2年で訓練し次の2年で自分のしたいことを考え、自分で会社を選びます。卒業生の90%が希望の会社に就職し、定着率は100%です。

障害者への偏見をなくすことが日本には必要ですが、少し試しただけで分かるはずがなく、「継続は力なり」だと思います。また、私自身5年ほど前にリハビリを要する重い病気になりました。つらい日々でしたが、どれだけ回復するかで人生が決まるので、ここでも継続の大切さを感じました。

知的障害者の学ぶ場を提供するため、まずは首都圏を中心に拠点を増やし、小さなことでも継続を心掛け、将来的には全国に広げていくことを目指しています。


株式会社ゆたかカレッジ
取締役副社長
長谷川 美栄

長崎生まれ。次女が重度の知的障害を持っていることから、
障害者福祉に興味をもつ。社会福祉法人鞍手ゆたか
福祉副理事を経て、知的障害者が特別支援学校高等部を
卒業後に学べる(株)ゆたかカレッジを設立。

知的障害者が特別支援学校高等部を卒業した後に通う
福祉型大学「ゆたかカレッジ」を東京、神奈川、福岡、長崎
で5校運営。

4年間の在籍期間の中で最初の2年で人格形成などを行い、後半の2年で就労に向けた訓練を行っています。4年間を通すのは弊社だけの仕組みです。福祉制度を利用するため授業料は全額公費となり利用者の負担はありません。
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